エコキュートは停電になるとお湯が出ないと思われていますが…

今年は地震や台風などの自然災害による停電が頻繁に発生しています。
停電中はほとんどの電化製品が使えなくなってしまい、普段いかに電化製品を多く利用しているかがよくわかります。
当店ではお客様にオール電化をおすすめすることが多いですが、ガスや灯油のボイラーからエコキュートに変更すると、停電時にお湯が出なくなってしまうのでは?とご心配されることがあります。
実はこの疑問、ふたつの間違いがございます。

まずひとつめは、ガスや灯油の給湯器も停電時にお湯を沸かすことができないということです。
これらの給湯器は燃料を燃焼することによってお湯を沸かしますが、燃焼させるにはガスや気化した灯油に着火しなくてはなりません。
屋外にある給湯器をご確認いただければわかりますが、ガス給湯器も、石油給湯器も通常は屋外のコンセントから電源をとっており、停電中は着火することができないのです。
まれに古い給湯器で、台所の流しの上に設置するタイプの小型給湯器や、浴槽の横に設置するバランス釜と呼ばれるタイプはコンセントなしで燃焼するものもありますが、停電中は換気扇が動作しないため屋内での燃焼は危険な場合もあります。

もうひとつは、エコキュートは停電時でもお湯が使える場合があるということです。
当然ながらエコキュートも停電中はお湯を沸かすことはできませんが、貯湯タンクに貯まったお湯は使用が可能です。
エコキュートはおもに夜間の電力を使ってお湯を沸かします。
タイミング悪く、お湯をほとんど使い切った後に停電になった場合は残り湯量が少ないため、多量のお湯を使うことができませんが、明け方などお湯がたっぷり貯湯されていた場合はタンク内のお湯を使用することが可能です。
停電時でも水道が断水していない場合、水栓のハンドルをひねれば蛇口やシャワーからタンク内のお湯が普通に出てきます。
地震などの災害で断水も伴った停電の場合は蛇口やシャワーからはお湯は出ませんが、貯湯タンクの非常用取水栓からタンクに貯まったお湯を取り出すことができます。
(※メーカーや機種により異なる場合がございますので、平常時にご確認されることをおすすめいたします。また、停電時は湯温の調整ができないため高温の熱湯が出る場合があります。必ず湯温をご確認の上ご使用ください。)

オール電化のご家庭では、キッチンもIHクッキングヒーターになっているため残念ながら停電中は全くご使用になれません。
しかし、ガスコンロも給湯器と同様にコンセントから着火用の電源をとっていることがほとんどで停電中はご使用になれない機種が大半です。
古い据置タイプのガステーブルは乾電池式でお使いになれるものもございますが、やはり換気扇が動作しない状態で屋内で燃焼するのは一酸化炭素中毒の危険が伴います。
オール電化のご家庭でも、そうでないご家庭でも、非常時に備えてカセットコンロを準備し、どうしても停電中にコンロを使う必要がある場合は屋外や換気の良い場所で使用していただくことをおすすめいたします。

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